障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。
障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やけがで初めて医師または歯科医師(以下「医師等」といいます)の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金保険に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
なお、障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度があります。
また、障害年金を受け取るには、年金の保険料納付状況などの条件が設けられています。
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障害年金の種類
障害年金には、障害基礎年金、障害厚生年金があります。
障害基礎年金
「障害基礎年金」の額は年度ごとに決まった金額です。障害の程度が重い方から1級、2級となります。障害厚生年金と違い、3級や障害手当金はありません。
一年間の額は、1級で約100万円、2級で約80万円です。
18歳になる年度末(高校卒業)までの子どもがいる場合は、「子の加算」が付きます。年額は、2人目までは一人につき約23万円、3人目からは一人につき約8万円です。
なお『初診日』が20歳前にある人は、国民年金保険料を納付していない(制度上できない)ことから、本人の所得による制限があります。
障害厚生年金
「障害厚生年金」は、人によって金額が違います。そのため、一概に「〇級の人は○○円」と言うことはできません。同じ等級の場合、一般的には、給与が高く会社勤めの期間が長い人ほど年金額が多くなります。
障害の程度が重い方から1級、2級、3級、障害手当金となります。障害手当金は一時金ですので、受け取ることができるのは1度だけです。
1級と2級は、「障害厚生年金」とセットで「障害基礎年金(「子の加算」を含む)」が支給されます。
また、本人が1級または2級に該当する場合で、配偶者がいるときは、年間約23万円の「配偶者加給年金」が付きます。
障害年金を受給するための3つの要件
障害があるということだけでは、障害年金を受給することはできません。障害年金を受給するには、3つの要件があり、そのすべてを満たしている必要があります。
おおまかには、次の通りです。
①初診日要件 | 「初診日」に年金制度に加入していること。 |
②保険料納付要件 | 「初診日」の前日において、保険料の納付済期間や免除期間などが一定以上あること。 |
③障害状態該当要件 | 障害の程度が定められた基準に該当していること。 |
初診日と障害認定日
まずはじめに、初診日について説明いたします。
初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診察を受けた日をいいます。同一の病気やけがで転医があった場合は、一番はじめに医師等の診療を受けた日が初診日となります。
次に、障害認定日について説明いたします。
障害認定日とは、障害の状態を定める日のことで、その障害の原因となった病気やけがについての初診日から1年6ヶ月を過ぎた日、又は1年6ヶ月以内にその病気やけがが治った場合(症状が固定した場合)はその日をいいます。
認定日請求と事後重症請求
障害認定日による請求
障害認定日に法令に定める障害の状態にあるときは、障害認定日の翌月分から年金を受け取る事ができます。このことを事を「障害認定日による請求」といいます。
なお、請求する時点より、過去に遡って障害認定日の障害の状態を医師等による診断書により証明を受けることができれば、遡及して障害年金を請求することも可能であり、年金の支給決定がされれば、遡及して障害年金が支給されることになります。
事後重症による請求
障害認定日に法令に定める障害の状態に該当しない方でも、その後病状が悪化し、法令に定める障害の状態になったときには請求日の翌月分から年金を受け取ることができます。このことを「事後重症による請求」といいます。
障害年金の決定
障害年金裁定請求をするための書類がすべてそろって年金事務所に請求すると、3ヶ月程度で結果が届きます。
障害の状態にあるかどうかについて、提出を受けた医師による診断症をもとに、日本年金機構の認定医により、障害者手帳の等級とは異なる障害等級表をもとに、障害等級等が判定されることになります。そのため、ご自身の考えている障害等級に該当しないことや、最悪、不支給となることもあります。
主治医が記載された診断書の内容により決定されますので、主治医には状況を正確にお伝え下さい。
以上障害年金について抜粋してお伝えしましたが、年金額や年金の支給制限・調整など、詳しくは、日本年金機構「障害年金ガイド」をご参照ください。
社会保険労務士への報酬
障害年金を請求する場合、初診日を証明するための受診状況等証明書や現在の状態を記載した診断書などいろいろな書類が必要になります。できる限り診断書等についてはご自身で集めて頂くことになりますが、なかなかご自身で書類を集めることが困難なときは、代行して書類を集めることも可能です。
書類をそろえたり提出したりするためには、何度も医療機関や年金事務所等に足を運ぶことになります。社労士に依頼していれば、代行して年金事務所へ足を運んでくれるため、ご自身の往来の頻度を減らせます。
また、ご自身で作らなければならない書類の作成も大きな負担になります。 たとえば障害年金を請求する際に作成することになる「病歴・就労状況申立書」には、以下の内容の記載を求められます。
- 発病した時から現在までの経過
- 受診期間における受診回数、治療経過
- 受診していなかった期間の理由、自覚症状の程度など
病歴・就労状況申立書は以下のリンクよりダウンロードしていただけます。 日本年金機構「病歴・就労状況申立書」
「病歴・就労状況申立書」は作成する難易度の高い書類です。障害を抱え心身ともに辛い中、障害年金申請における書類作